福岡高等裁判所 昭和26年(う)1998号・昭26年(う)1995号 判決
臨時物資需給調整法は昭和二十一年十月一日法律第三二号として公布即日施行せられ、その後同二十二年三月三十一日その一部を改正し「この法律は昭和二十三年四月一日又は経済安定本部の廃止の時の何れか早い時にその効力を失う」と公示し、さらにその後同法の失効時期を一年延長し昭和二十四年四月一日とする旨改正し、同二十三年三月三十一日付で、実際には同年四月九日の官報号外に登載配付されたこと正に所論の通りである。しかしながら前記後者の改正法律案は昭和二十三年三月三十一日衆議院及参議院で可決されたのであるから憲法第五十九条第一項により右可決と同時に当然法律となつたこと明であり、従つてこれにより又当然に前記前者の改正法律の適法に改正されたこと明白である。所論は前記後者の改正法律の公布(四月九日)が遅れたことを理由として臨時物資需給調査法が昭和二十六年四月一日を以て失効したと主張するものであつてその失当であること前段説明によつて明である。しかして本件犯罪は右改正法律の公布(四月九日)以後に行われたものであるから原審がこれに対し臨時物資需給調整法を適用処断したのは正当であつて所論は理由がない。